本好きのつぶやき

読書に勤しむ大学生の日常

絶好調の証明【ベン・コーエン著:科学はツキを証明できるかより】

昔、弟とおやつのプリンを巡ってよくじゃんけんをしていたが、多分私の勝率は三割に満たなかったのではないか。正直負けすぎてじゃんけんになると試合逃亡することも多く、勝負事で自信を持っているか持っていないかということの大切さは身にしみて学んでいたつもりだ。でもじゃんけんでその勝率はあまりに低すぎると思うなんで弱いんだろうか。

 

 

ギャンブラーの誤謬

話は全く変わるが本著ではギャンブラーの誤謬というのが言及されていた。これは例えば表と裏がでるコインを投げたとして、表が3回続けば次は裏が出そうな気がすると思ってしまう現象だ。実際は確率として二分の一であり、裏の割合が高いとは言えない。
この現象がよく見られるのがギャンブルの現場であり、人間が考えれば考えるほど、確率が平均に回帰するのではないかと思ってしまうバイアスを利用されてしまうことが多いという。ホットハンド信仰とは真逆で、むしろ割合や確率を重んじたばかりに起きてしまう現象だ。

他の例ではアメリカの難民ルーレットについて、移民審査が通るか通らないかの実態がまさにギャンブラーの誤謬のはたらくものだったという。

 

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ホットハンドの検証

本書のとどのつまりを要約してしまうと、
機械的な確率の場合には、ギャンブラーの誤謬が起こりやすく、
人の能力が関係する確率では、ホットハンド信仰が起きやすいということである。

バスケットボール選手のシュートやプレーを細かく分析することが可能になった現代において、いわゆる「絶好調(ホットハンド)」の状態を解き明かすことができるようになった。もしホットハンドを持つ選手がフィールドに現れたとき、その他の選手の動きはどうなるのか?また、それによって試合の流れが変わることがあるのか?などである。
絶好調な時ほど、自分の能力に対する期待があるため難しいプレーを選んだりする傾向がある。そんな中、データはホットハンドが存在することを示したのだ。2,3本連続でシュートを決めた選手がその後のシュートを決める確率は、たしかに徐々に上昇していた。

 

つまりいわゆるスポーツ選手が極限の集中状態に入るゾーンやその際に能力が上昇するといったことは科学的に正しいと言えるし、ただの思い込みなどなではなかった。
この著書の着眼点は総じて面白かったし、ちょうど直近で開催していたWBCを見ていてふと思うことがあった。それは試合の中に「流れ」は本当にあるのか?ということだ。よく野球ではよい守備をした後は打線に火がつくと言うが、統計的に見てみたら本当にそうなのだろうか。また、勝利への期待という意味でホットハンドが関連してくる可能性もある。研究しているサイトがあったので最後にぜひ紹介させていただきたい。

 

odasakukun.hatenablog.com