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AIは意識を持ち得るのか【ジェフ・ホーキンス著:脳は世界をどう見ているのかより】

こんにちは。
本格的に花粉症シーズンですね。私はまだ症状が出ていないのですが、花粉が飛んでいる事実に気づいた瞬間終わりみたいなところがあります笑

 

本日は私が脳科学の本を読んでいて、一番興味深いと思っていた分野について取り上げたいと思います。それは「意識」や「自我」と呼ばれる問題です。

 

ジェフ・ホーキンス著:脳は世界をどう見ているのか

 

 

AIに「I」がない理由

アップルのSiriや囲碁で人間を打ち負かしたと話題になったAlphagoなど現代の人工知能と呼ばれているものは、ディープラーニングという手法を用いて学習をしています。

 

ディープラーニングとは、データの背景にあるルールやパターンを学習するために、多層的(ディープ)に構造で考える方法です。
一般的なデータ分析は、入力データ(インプット)と出力データ(アウトプット)の関係を直接分析しますが、ディープラーニングは、中間層と呼ばれる構造を設け、さらに多層化することで、データの背景にあるルールやパターンを考えることができます。(野村総合研究所

 

上記の通り、ディープラーニングは大量のデータをもとにAIが自らデータの特徴を発見するテクノロジーです。以前は人間がその特徴を教えてあげる必要がありましたが、現在ではそれが必要なくなったということですね。

 

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しかしまだまだ発展の余地があることは否めません。
例えばAlphagoは囲碁の分野では最強と呼べるでしょうが、Alphagoが車を運転することはできません。特定の分野に秀でていても、他の分野への応用がなければAIとして目指す理想型である「汎用型」からはほど遠いのです。

その点人間の優れているところは、1つの課題から学習することを別の課題にも応用できる柔軟性にあると言えますね。

 

現状のディープラーニングの形でもAIの発展は望めることは間違いないですが、この世界のすべての情報を学ばせるには量が多すぎるという点と世界の理解には更なる複雑さがあるという課題もあるのではないでしょうか。
その点で言えば、前記事で紹介したChatGPTは大量のお金とデータをつぎ込み、流ちょうな言語を扱えるようになったので技術革新やAI分野への投資に期待したいところです。

 

AIは意識を持つか

ディープラーニングの話を一通り聞くと、知識を学んだだけでは意識が発生しそうにないと感じますね。では「意識」を発生させている要因とは何なのか?一説では直近の記憶と言語であると言われています。

 

人間の場合、脳が正常に働いているときは脳におけるしんけい神経細胞が思考と行動の記憶を形成します。よって意識があるためには、いわば直近の自分にアクセスできる力が必要なのではないかとのことです。

そもそも考えてみれば今という時間は存在しません。というのも今!と意識したところでそれは一瞬で過去になっているとも捉えられますよね。過去の記憶があるからこそ、自分という自我を持つことができ、またさらに「意識」という感覚を持てるのではないでしょうか。

 

また意識を語る上で、言語も欠かせない存在です。
言語は単なるコミュニケーションの手段だけでなく、私たちの抽象的な思考を可能にしているという側面もあります。

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民主主義と聞いてどんなイメージを持ちますか?
この概念は抽象的なので人によって持つイメージは異なると思います。しかしこの概念を理解できる人がほとんどです。なぜでしょうか。
それは脳のはたらきと言語による手助けがあるためです。

民主主義という概念を連想させることばやイメージ、情景などがぱっと浮かんできてそれが言語により集約されるという感じですね。
そのため「意識」というのも言語のまやかしかもしれませんが、今ここで考えている私が存在するのは確かです。


意識という概念を理解してこそ意識を持ち得るのかもしれませんね。
脳科学人工知能分野における今後の発展を切に待ち望んでいます!

 

 

参考・引用文献

ディープラーニング(深層学習)| 用語解説 | 野村総合研究所(NRI)