本好きのつぶやき

読書に勤しむ大学生の日常

分業制を採用する脳【池谷裕二著:進化しすぎた脳より】

 
こんにちは。
ブログテーマ第二弾は脳科学について学んだことと考えを述べていきたいと思います。
だいぶ前回の全体主義からはかけ離れた内容にはなってしまうと思いますが、ブログを見てくださった方の新たな興味関心につながれば嬉しいです。
 

池谷裕二著:進化しすぎた脳
人間の脳のはたらき

脳と言えばと聞かれると、身体が消費するエネルギーの約20%を使っているだとか、脳が大きいほど賢い?だとかいろいろありますね。

脳みそがしわしわなのは皆さんご存じだと思いますが、なぜあんなにくしゃくしゃなのでしょうか?それは脳が表面積を増やすためというのが正解だそうです。人の脳を伸ばしてみると、約新聞紙一枚分ほどの大きさになるそうです。かなり大きいですね。

 

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Q:じゃあ大きければ大きいほどいいの?
A:そういうわけでもなさそう

 

イルカの脳は人間と同じくらいの大きさで、彼らは水中で超音波を使い会話をしているなんて言われることもありますね。しかしイルカは人間のような複雑な言語を使うことやPCを操作することができるわけではないです。
よって脳の大きさでその動物の賢さや能力が決定されません。

 
そもそも脳の構造はDNAで決まり、どんな生物においても似通った構造をしています。
脳をハードウェア、身体機能をソフトウェアに例えると、イルカは超音波を使うことできる器官が身体に備わっており、そこから得られる情報を脳が処理しているという形ですね。これが人間の場合、ソフトウェアが手や足、目などにあたります。
脳の地図が仮にあったとして、この地図が形成されるのは生まれてから成長していく過程であり後天的です。脳は柔軟性を備えており、身体のつくりや動きによってダイナミックに変化します。
情報がいかに脳に大きな影響を与えているかがわかりますね。
 
 
脳は場所によって役割が違う
脳は肺や肝臓など一定の機能を臓器全体で持つのとは異なり、場所によって役割が異なっています。
カナダの脳神経外科ペンフィールドが描いた有名な図があり、この図は対応した身体の部分にどれだけ脳が使われているかを示したものです。
(やっぱり手が大きい、、)
 

ペンフィールドの脳地図
また脳の大脳新皮質には聴覚野というハーモニーやメロディ、リズムなど音に関わる情報を処理している器官があります。ここではヘルツごとにそれぞれ情報を受け取る部分が分かれており、立派な分業制を構築していると言えますね。
 
しかしこの分業制は時にデメリットともなり得ます。
脳の後頭部(後頭葉)には視覚野が存在しており、もしこの視覚のが何かのきっかけで損傷してしまえば失明の恐れがあるのです。様々な役割を分担しているからこそ脳は非常に繊細で、未だ謎が多い器官であると言われるのかもしれません。
本日はこんなところでおしまいです。