本好きのつぶやき

読書に勤しむ大学生の日常

どっちですか?は危うい【武田砂鉄著:わかりやすさの罪より】

本日ご紹介するのは偏っていた思考を真ん中あたりにより戻してくれた一冊である。
自分の中で伝える行為が、「端的に!わかりやすく!を意識しよう」というビジネス本のフレーズや就活での受け答えによる影響を受けていたのかなあと思った。

 

 

どっちですかの危うさ

世の中は良くも悪くもシンプルになってきているというか、特に二択を迫られるような質問や何でもはっきりさせようという風潮が増えている気がする。その中で筆者は二択で強制的に選ばせ、はっきりさせることの危険性を説く。


そもそも二択以外の場合もあるだろう。犬か猫どっちが好きかという質問に対し、どっちもそこまで好きではなくむしろアヒルが好きだという場合はどうすればいいのか。この例えはだいぶ強引だが、主張はこんな感じである。二択以外の選択肢を無意識下で排除してしまい、"わかりやすさ”を追求した結果、正確でない選択を迫られることは確かによくない。

ひろゆきYoutubeや論破系の動画でよくみられる、ずばっと的を射たような物言いがブームだが、あれもわかりやすさやインパクトを重視した結果によるもので、エンタメであることを忘れて真に受けてしまうと本当に危ない。これらの極論ブームと筆者が言うわかりにくさやあいまいさを残すことの重要性はまさに正反対で、特に情報あふれる現代社会において、はっきりと単一の情報や意見によって断言するべきではないと思う。

 

ちなみに今は猫派です

具体的に私たちが持つべき姿勢は、いわば強引さのようなもの。

他社の理解のために自分の思考を譲らない

 

筆者はこのように語っている。決して思考放棄してわからないと決めつけることとは違う。他社に対してより寛容さを持ち、人間関係における充実を目指すために、理解だけでなくわからないことを残すことが必要だということだ。またこれは相手のすべてが理解できるとか、きっと応えてくれるだろうといった傲りより、人間関係に対し謙虚な姿勢を持つことにもつながる。

正直この主張をそのまま実践すればただの自己中になってしまうが、わかりやすさのために自分の主張や思いを押し殺してしまうような癖がある人や言葉に対するこだわりを持っていきたいという方には実践する価値がある姿勢だろう。

今日は短いがここまで

 

 

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