本好きのつぶやき

読書に勤しむ大学生の日常

音楽サブスクリプションの功罪

思えばAppleの「iTunes」が廃止されたあたりが転機だった。
iTunesの廃止が発表された2016年(Macでの利用不可)、まさにその年に発表されたのがSpotifyである。たしかその頃はまだ月額定額引き落としのサブスクという形態に否定的だったように思う。少額とはいえ毎月お金を払い続けるのはなんだかもったいない気がするし、支払いも面倒くさそうだなんてイメージが拭い切れていなかった。

 

 

もともとiTunesで好きなアーティストの楽曲を250円で購入し、プレイリストで聴いたりしていたが、なにせアルバムで購入するとお金がかかるため、Youtubeでプレイリストを作ったり、今では絶滅したような違法?楽曲ダウンロードアプリも当時は流行っていた。

 

サブスクリプション時代

その後の展開はあっという間だ。たしかYouTuberのHIKAKINが「AWA」という音楽サブスクリプションサービスを宣伝している動画を見て、今はこんなものがあるんだと驚いたのを覚えている。しかし当時中学生辺りだった自分にとって月額料金が高すぎた。(今のサブスク相場よりもだいぶ高かったはず)
そこからAppleMusic、Spotify、AmazonMusicなどの現代の大手音楽サブスクが徐々に利用者数を増やしていたイメージがある。ちなみに私はAppleMusicとSpotifyを利用した経験があり、現在はヘビーSpotifyユーザーだ。

 

理由は機能面とデザインがおしゃれだから

 

サブスクリプションは一度加入すると、なんだか支払いをしている感じがしないのが不思議である。しかも解約がアプリ内ではできず、Webブラウザ上ですることになるためちょっとした手間がかかる。そこも解約しづらい理由のひとつではあるのだろう。毎日散歩や通学でイヤホンつけっぱの身としては、学生料金で音楽聴き放題はとても魅力的だ。
KindleUnlimitedという書籍サブスクも加入していた経験があるが、本は忙しくて読めない時期があったり、モチベーションによって利用するかしないか決定されてしまう部分もあるため、音楽とサブスクの親和性は費用対効果の面でも良さそうだ。

 

音楽サブスクリプションの功罪

音楽サブスクを利用していてまず思うのが、楽曲との出会いが大きく増えたことだ。
なんだかSpotifyの回し者みたいだが、このアプリにはその人の嗜好や最近よく聴かれている曲をおすすめしてくれるレコメンド機能がある。プレイリストに勝手に追加されているため、突然流れてきて「あ、これいいな」となってハマってしまうケースも多くある。それも自分が作ったプレイリストにちょこちょこと知らない曲が追加されるため、メインで聴きたい音楽が排除されることもない。
やはり消費者視点からすると、聴くことのできる音楽の選択肢が大幅に増えたことだろう。

 

一方アーティストからするとどうなんだろうか。
少し前にツイッターでサブスクのシステムに苦言を呈するアーティストがいた。その人によればサブスクが登場してからというもの、利益が大幅に減少しているとのことだった。調べたところ信憑性があるかはわからないが、一曲再生につき0.3円~1円程の利益なのだそう。
確かにサブスクが始まって、TikTokで一躍有名になったアーティストがサブスクで人気になったり、そもそも音楽サブスクは参集障壁が低いため、アマチュアのアーティストでも気軽に音楽を投稿できる。そんな感じで競争が激しいという理由があるだろう。

 

また日本の音楽サブスクの普及率はアメリカと比べると未だ低く、CDやレコードなどの応援消費やモノとして残すことに対してのニーズがあるのだ。未だ音楽サブスク時代の過渡期にあるため、どうしても利益配分のバランスが悪いというのもあるだろう。

 

私個人音楽との出会いが増えたことは、音楽サブスクを利用する上で喜ばしいことだ。
しかしなんだか音楽があまりに溢れすぎていて、その一曲一曲の価値を軽んじてしまっているような気がしなくもない。味わって聴く機会が減ったり、イントロを飛ばしてサビから聴いてみたりなど、「コンテンツ消費」に近づきすぎていないかという危機感も持ち始めている。
モノやコンテンツがものすごく速く流れる時代において、身を任せすぎないようにしたい。次回のブログ記事では「コンテンツ消費」と現代の若者の消費傾向についてまとめたおすすめの1冊を紹介しようと思う。

 

odasakukun.hatenablog.com